シークレット・ガーデン


真彩は曖昧に微笑み、「うん」と答えた。


ふう……

司は溜め息を吐いた。


「俺は良かれと思ってしたことだったけど、旦那にしてみりゃ面白くなかったのかもね…」


真彩は、肩から掛けたバスタオルの両端をつかみ(胸の形がばれないようにする為)、司の方に歩み寄った。


「うん……まあ…でも、司は何も気にしないで。
理亜が突発性発疹で初めてあんな風になって、司が来てくれて、私はすごく心強かった。

旦那にぶたれたから、ショックで、こんなことになっちゃったけど…
1番馬鹿なのは、私なんだ……

旦那が焼きもち焼きだって分かってるのに、司のこと元カレだって、つい言っちゃったから」


2人でいると、昔の馴れ合っていた頃の感覚が蘇る。


真彩は、自然に司の布団の上に上がり、彼のそばに膝を崩してペタンと座った。


司が真彩の顔をじっと見つめる。


真彩は、はっとする。


すっぴんだった。



(老けた、と思われたかもしれない……)


焦ったけれど、慌てるのも変だ。


司は、視線を下に向け、くすっと笑った。




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