イケメンルーキーに恋をした


そんなにあっさり言うけど、そんな簡単な問題じゃ……。


「キャッ!!」


またグイッと手を引かれ、あたしの体は意思とは関係なく部室の中に入った。


田尾くんの手によって閉められたドア。


嘘でしょ……。


もう逃げ場はなく、恐る恐る部室を振り返る。


そこにいたのは、小さなベンチに腰掛ける、制服姿のさおりただひとりだった。



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