イケメンルーキーに恋をした
「あの……岩石先輩とのこと……黙っててごめん……。言えなかったの……」
「…………」
「さおりが、岩石先輩のこと好きだって……知ってるから……」
さおりの、つばを飲み込む音がはっきりと聞こえてくる。
あたしのも、確実にさおりに聞こえているだろう。
「すごく悩んだの!!悩んで悩んで、これはさおりに言った方がいいのか、それとも、落ちつくまで言わない方がいいのかって」
伝えたいことがありすぎて、ついつい力んでしまう。
「さおりを、傷つけたくなかったから……。あたしも、先輩に言われた時、ビックリして、その場で返事が出来なかった……」
「…………」
「こんなこと、先輩のことを好きなさおりの前で言ったら余計傷つくかもしれないけど、でも……もう何も隠さずさおりに話すことにする」
あたしはさおりを見て話しているのに、さおりはあたしに目を向けてくれない。
ずっと俯いて、垂れる横髪の隙間から今にも泣き出しそうな表情が見えた。