イケメンルーキーに恋をした


ごめん。


さおり、そんな表情させて。


親友にこんな顔させるなんて、あたし最低だよね……。


これでさおりがもうあたしのことを嫌いになったなら、あたしはさおりに頭を下げて遠ざかる。


それが、一番いい選択かもしれない。


「岩石先輩の誕生日の日、あたし、先輩から告白されたの。あたし驚いちゃって、すぐに返事が出来なかった」


「…………」


「あたしがどんな返事をするか、さおりならわかるでしょ?あたし、すぐに断れなくて、後悔した……。だって、ずっとずっとさおりの悲しむ表情が頭に浮かんでたから」


言いながら、声が詰まってくる。


「あたし……本当にバカだよね……。考えたら考えただけ、それは悪い方向に行ってさ……」


とうとう流れてしまった涙。


嗚咽で、言葉が途切れ途切れになってしまう。


「ごめん……。本当にごめん、さおり……」


「…………」


「もう……前みたいに話せないって覚悟は出来てるよ……。でも、これだけは信じて」


あたしは涙を拭って、真っ直ぐさおりを見下ろした。


どんなに、さおりがあたしと目を合わせてくれなくても……。




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