イケメンルーキーに恋をした


乱れた髪や制服を整えて、平然を装うと今度はいきなり田尾くんがあたしの腕を引いて歩き出した。


「え!?ちょ、今度はなに!?」


前のめりになり、足が絡みそうになる。


「ちょっと、田尾くん!!どうしたの?意味わかんないんだけど!!」


あたしが大声を出せば出すだけ、周りからの視線が集まり、その度に田尾くんが迷惑そうにあたしを見下ろす。


あたしはこれ以上注目も浴びたくないし、田尾くんに睨まれたくないしで口にチャックを閉める。


長身の田尾くんに引っ張られるあたしは、完全に歩きたくないとダダをこねる子供のようで、恥ずかしくなった。


しばらくあたしの手を引いて歩いていた田尾くんは、人気の少ない公園に入ってゆっくり手を離した。


小さな公園には、遊具はブランコくらいしかなく、子供の姿も見当たらない。


段々日が沈むスピードも速くなっていて、寒さも増してくる。





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