【BL】夕立の中、佇む君は
それでも君のためを思うなら、嫌われてでももっと強く言うべきだった。
別れてしまえと。
突然、君から電話が来たのは、あの日から一週間後のことだった。
休日、暇を持て余していた俺は部屋でゴロゴロと横になっていた。
鳴り響いた着信音に身体を起こし、発信番号も確認せず電話に出た。
「もしもし」
『……あ、もしもし?ごめん、今忙しい?』
君の声だとすぐに分かった。
あの日から気まずくて、まともに声を聞くのは久しぶりだった。
「大丈夫。どうした?」
『うん。ごめん、お前の言ったこと正しかった。』
「…今どこ?」
『日溜まり公園。』
「分かった。そこにいて」
俺はすぐに家を出た。
時刻は夕方。
一秒でも早く君の元へ。