【BL】夕立の中、佇む君は
途中、雨が降った。
急に激しく降った雨。
公園につく頃には、髪も、服も、肌もびしょ濡れだった。
それは君も同じで……
夕立の中佇む君は、俺を見て笑った。
「ひどいフられ方しちゃったよ。」
雨のことなのか、彼女のことなのか訊くことはしなかった。
俺は笑っている君が腹立たしかった。
そんな顔して……
泣いてるくせに、
笑うなよ。
君の頬を伝う雨が涙のように見えたのは、きっと俺の目の錯覚なんかじゃない。
気付けば、腕の中に君を抱きしめていた。
「ぇ……」
君は困惑した声音で少し慌てた。