愛してるよ、何よりも

ニヤニヤこちらを見て笑う麗斗の姿が目に映った。


謝りたくない。だって私は何も悪いことしてない。


それなのに謝るなんて、絶対嫌だ。


でも、明日夢子と会社で顔を合わせたら気まずい。


「ごめん…ね…」


私は小さな声でそう呟いた。


ドクン…ドクン…。


何これ…。胸が痛い…。痛すぎる…。


「っ…」


呼吸が苦しくなって、ギュっと着ていた服の裾を掴む。


視線をゆっくり麗斗に移すと、彼は私を見て目を見開いて驚いていた。


私は彼の表情の意味が分からなくて、首を傾げる。


何だろう…?私何か変なこと言った?


みんなが謝れって言ったから、謝ったのに…。


どうしてそんな顔するの?












< 65 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop