私の彼氏は中国人留学生
「楽ってなんだよ。
はぁ......、結局はその程度だったんだな。

俺には周りがどう思っても暁明が好きだって言ったのに、反対されたら簡単に諦めるのか」



苛立ったように言うケンちゃん。

その程度の、人間。
その程度の、気持ち。

そう言われたって仕方がない。


付き合い始めの頃に、みんなの印象が悪くても、私は好きだから関係ないってケンちゃんに言ったのに......。


でも今さら何を言ったって言い訳だけど、私だって悩んで苦しんで答えを出したんだ。

ケンちゃんにゴチャゴチャ言われたくない。



「ケンちゃんに何が分かるの......?
もうほっといてよ!関係ないでしょ!?

自分は告白もできないくせに、人にばかりおせっかいしないで!」



ケンちゃんは何も悪くない、こんなのただの八つ当たりだ。

どこにぶつければいいのか分からない怒りをぶつけてるだけ。


私が悪いのかもしれない。
自分で出した答えなら、もうすっぱりと暁明のことは忘れて、前向きに生きていけばいい。

それもしないで、いつまでもウジウジとして、自分でも何がしたいのか分からない。


だけど。ねぇ、人間って、いつだって正しい選択をして、いつだって前向きに生きられるものなの?

そう生きられる人もいるかもしれないけど、少なくとも私にはできない!

できてたら、苦労なんてしてない!

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