恋がはじまる音
白築くんと一緒の帰り道。
私も白築くんも、それぞれ部活があったから、夕方、というよりは夜に近い時間帯。
陸上部に所属しているらしい白築くんは、短距離の選手なのだそう。
部活ばっかりやってるから、あんまり勉強は得意じゃないらしくて。
この高校にも、スポーツ推薦で入ったから、テストは毎回死にそうだって、言っていた。
告白どころか、こうして男の子と一緒に歩くことすら初めてな私が緊張しないように気を遣ってくれたのか、他愛のないことを話しながら、彼はずっと楽しそうだった。