パツ子と甘えん坊くん。
そういえば最近やたらと真琴の密着度が激しい。
今もこうして人目を気にせずにあたしに抱きついている。
…ん?人目?
自分で言って気付く。
バスケ部の男子やニヤニヤ笑って見ている菜緒の視線に。
忘れてた!
部活中じゃんか!!
「ちょっ、真琴!みんな見てるから一回離れよう…?」
「…やだ、もう少しこのまま」
真琴は首を横に振った。
「やだ」と言った真琴は子供みたいでついもうちょっとぐらい…とか考えてしまう。
でも周囲の視線が痛いし、なんせあたしの顔が沸騰しそうだ。
「い、い、いいから離れろ!バカ!」
デレを封印して、ツンで真琴のお腹にチョップを入れる。
真琴はゔっ!と鈍い音を口から発してあたしから離れた。
「…小夏…ヒドイよ…痛いよ…」
「ずっと抱きついてるからだ!バカ!」