パツ子と甘えん坊くん。



「…あ、あたしも、真琴の思ってること聞けてう、嬉しかった」



俯いて顔を赤くする。
真琴は「ほんと?」と言ってあたしの顔を覗き込んできたからコクリと頷いた。



嬉しかったけど、今は怒ってる。
そう思うとあたしのツンが発動する。



「でも最近やたらとひっつき過ぎ!さっきだって公衆の面前で…だ、抱きついてきて…」



先程の真琴に抱きつかれたことを思い出しただけで、顔が赤くなる。



そんなあたしを見て真琴はアハハと笑っている。



何が可笑しいの?
あたし変なことは言ってないのに。



しかも怒ってるのにー!!



そんなあたしを余所に真琴は口を開く。



「この前、小夏風邪ひいて4日くらい会えなかった時あったでしょ?その時小夏に触れられなくて、甘えられなくて辛かったからって言うのもある」



真琴は歩く足を止めてあたしと向かい合う体勢になると、あたしの手を両手で握った。


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