パツ子と甘えん坊くん。
真琴は両手で額を押さえている。
あたしはその隙に起き上がった。
「真琴が甘えてくるからだ!バカ!準備してくる!」
投げやるように言い放ってあたしは部屋を出ようとドアへと向かった。
とりあえず前髪をセットしないと。
「…あ、小夏!待って!」
慌てたように真琴に呼び止められた。
何?まだ何かあるの?
またベッドに引きずり込もうとしてるとか!?
そんなことは絶対にさせない!
初詣でに真琴と行くんだから!
「…またベッドには……」
振り向いた瞬間、真琴の手によって後頭部を引き寄せられた。
その次にはもう真琴の唇があたしの唇に重なっていた。
いきなりすぎて固まる身体。
長く重なった唇が離れた時にやっとキスされたのだと頭が理解する。