パツ子と甘えん坊くん。



コツン



あたしの額に真琴の額がくっついた。



真琴から目が離せなくて、上目で真琴を見つめる。



真琴は頬を赤くして微笑んでいる。



「…あけましておめでとう、小夏」



ニコッと笑う真琴はすごくかっこよくて可愛くて、愛しくて。



まだ目が離せない。



まだ顔が熱い。



あけましておめでとう、真琴。



そう言ってあげたいけど、いきなりすぎて恥ずかしすぎて素直なあたしはいない。



「…おめでとう、バカ!」



それだけ言い放ってあたしは部屋を飛び出した。



部屋を飛び出しても顔の熱が収まらなくて、足に力が入らなくてその場に座り込む。



これが真琴との新年初キス。


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