パツ子と甘えん坊くん。
「に、ニヤついてない!バカ!ハゲろ、ハゲ!」
ハゲにあえてハゲろと言う。
それにハゲ太はまたいつものように「ハゲじゃない、丸刈りだって」と呆れたように言った。
そしてまた思い返す。
真琴の前でハゲ太と話してしまったことを。
「はいはい、2人ともその辺にして。バカップルはバカらしくお幸せにね、ほら健行こ?」
菜緒があたし達に呆れたのか、それか真琴を嫉妬させないように気を遣ってくれたのか分からないけどハゲ太の腕を組んで立ち去った。
いや、もしかしたらハゲ太とあたしが話してて嫉妬したのかもしれない。
ようやく嵐が去った。
でもさっきから真琴の反応がない。
も、もしかしてまた怒っちゃった?
「ま、真琴…?」
恐る恐る真琴を見上げる。
あたしの視線に気付いた真琴はあたしを見下ろす。