パツ子と甘えん坊くん。



「…ねぇ、小夏?」



首を傾げて小夏の顔を覗き込む。
小夏は顔を下に向けて口を開く。



「…こ、この髪型が…す、好きだって…言った」



照れた小夏はすごく可愛い。



そう、小夏が言った「好き」は自分の髪型のことだったんだ。



好きって言われたから、俺はてっきり小夏も俺のことが好きなんだと思った。



でも後に続いた言葉は「この髪型」だった。



決っして「真琴のことが」ではなかったんだ。



そう思うとさ、小夏?



昔の俺は鈍感って言ってたけど、小夏も十分鈍感だよ?



「あれからさ、俺何回小夏に"好き"って言った?」



俺の言葉に目を泳がせる小夏。



それがまた可愛くて愛おしくて。


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