パツ子と甘えん坊くん。
「…シュート入れて?小夏」
まさか、さっきシュート入らなかったからって持ち上げてくれたの?
どんだけ優しいのよ、アンタ。
かっこよくて背も大きくて、おまけに優しい。
だから真琴はモテるんだよ。
モテ要素をほとんど揃えているから女子生徒も寄ってくるんだよ?
でも他の女子に譲る気はないよ。
真琴はあたしのだから。
誰にも渡さないんだから!
決意と共にダンクシュートを決める。
とても清々しくて、シュートを決めてスカッとした。
「やった!入ったよ、小夏!ダンクシュートだ!」
真琴はあたしをぎゅうと抱き締めた。
あたしは勿論、宙に浮いたまま。
あたしを我が子のように褒めて抱き締める。
アンタが入れたわけじゃないのに。
…変な奴。
でもあたしも自然と喜んでいた。