パツ子と甘えん坊くん。



あれから熱でスムーズに歩けないあたしを真琴は、お姫様抱っこで二階の部屋へと運んでくれた。



めちゃくちゃ恥ずかしかった。
自分で歩くって言ったのに、無理矢理お姫様抱っこしやがった。



そんな真琴はキッチンを借りると言ってまた一階に降りて行った。



何しに行くの?って聞いても内緒の一点張りだった。



キッチンっていったら料理しかないよね。
でも真琴に料理なんて作れたっけ?



なんて考えてると、真琴がお盆を持って部屋に入ってきた。



「お待たせ。寂しかった?」

「だ、誰も寂しいなんて言ってない!」



頬が赤いのを隠すために布団を目の下までかけた。
真琴は相変わらずの微笑み。



でもちょっと寂しかったのは事実。


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