パツ子と甘えん坊くん。
頬が熱い、顔全部が熱い。
そんな中、あたしは真琴に甘える。
「…も、も桃、た、食べたい」
いきなり甘えてきたあたしに最初は驚いていた真琴だったけど、やがて笑ってフォークに桃を刺した。
「はい、あーん」
かなり恥ずかしいけど、口を開ける。
あたしの口の中に冷たい桃が入ってきた。
更に驚いたのが、桃が柔らかかったこと。
あたしは桃は柔らかいのが好きだ。
もしかしてそれも知ってて柔らかい桃を選んできてくれたの?
そんなにあたしのことを考えてくれてたの?
風邪で精神的に弱ってるせいか、真琴の優しさが身に染みる。
あたしは泣きそうになるのをグッと堪えて、桃を完食した。