パツ子と甘えん坊くん。



真琴の声で我に返ると、真琴があたしの顔を覗き込んでいた。



あたしは慌てて顔を逸らした。



口元を両手で触って確認する。
口角がいつの間にか上がっていた。



恥ずかしくてつい顔が赤くなる。
そんなあたしを見て真琴はふっと笑う。



「何考えてたの?もしかして俺のこと?」



少し腹黒い笑みを浮かべた真琴は、そっぽを向いたあたしの顔を追いかけるようにして覗き込む。



あたしは顔を赤くしつつも即座に否定する。



「違うわ、バカ!自惚れんな!」



そして真琴の膝裏を蹴る。
真琴は痛っ!と言って前のめりになる。



これはあたしの照れ隠し。
あたしは心の中で思ってることと、逆のことを口で言う。



世間で言うと、ツンデレってやつ。



実際、真琴に告白されてから自分から好きと言ったのは返事をした一度だけ。



強制的に言わされた時もあったけど、あれはノーカウント。


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