*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
鏡台の前に座った汀の長髪を、露草が丁寧に櫛けずっていく。
生来艶と潤いに恵まれた髪なので、たいして時間をかけなくても、すぐに整えることができた。
髪の支度を終えると、今度は顔の化粧を始める。
露草が白粉を練っている横で、汀は角盥の湯に絹布を浸して絞り、顔を拭く。
その肌に、木蝋と菜種油を混ぜて練ったものを塗り重ねる。
下地が整ったところで、露草は白粉を刷毛にとり、丁寧に刷きはじめた。
顔全体にまんべんなく白粉がのると、それを仕上げ用の刷毛でむらを無くすように整えていく。
汀は眉を抜いていないので、眉墨は軽く眉の上に引く程度だ。
紅花からとった口紅を唇に少しだけ載せて、化粧が終わった。
生来艶と潤いに恵まれた髪なので、たいして時間をかけなくても、すぐに整えることができた。
髪の支度を終えると、今度は顔の化粧を始める。
露草が白粉を練っている横で、汀は角盥の湯に絹布を浸して絞り、顔を拭く。
その肌に、木蝋と菜種油を混ぜて練ったものを塗り重ねる。
下地が整ったところで、露草は白粉を刷毛にとり、丁寧に刷きはじめた。
顔全体にまんべんなく白粉がのると、それを仕上げ用の刷毛でむらを無くすように整えていく。
汀は眉を抜いていないので、眉墨は軽く眉の上に引く程度だ。
紅花からとった口紅を唇に少しだけ載せて、化粧が終わった。