*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「もっ、申し訳ございません!!
仕事中に無駄話など………以後、気をつけすので………、どうかご容赦を!!」
蒼ざめた顔で土下座せんばかりの勢いで言う女に、汀は「ちがうちがう」と目を丸くする。
「そんなことはどうでもいいのよ。
ちょっとあなたに、訊きたいことがあるのよ!!」
「………は、はぁ……?」
「あなた、ちょっとこっちへ………」
汀は女の肩を抱いて、台盤所の隅へと導いた。
普段ならば口をきくことさえも許されないはずの高貴な姫君が、気さくに顔を寄せてくるので、女は戸惑って目を白黒させた。
汀の肌の美しさと、その瞳の面妖さに息を呑みながら、女は「………何でございましょう」と訊き返した。
仕事中に無駄話など………以後、気をつけすので………、どうかご容赦を!!」
蒼ざめた顔で土下座せんばかりの勢いで言う女に、汀は「ちがうちがう」と目を丸くする。
「そんなことはどうでもいいのよ。
ちょっとあなたに、訊きたいことがあるのよ!!」
「………は、はぁ……?」
「あなた、ちょっとこっちへ………」
汀は女の肩を抱いて、台盤所の隅へと導いた。
普段ならば口をきくことさえも許されないはずの高貴な姫君が、気さくに顔を寄せてくるので、女は戸惑って目を白黒させた。
汀の肌の美しさと、その瞳の面妖さに息を呑みながら、女は「………何でございましょう」と訊き返した。