イケメンの顔面踏んづけた結果。
そして新藤慧に引っ張られるまま白い綺麗な建物に入ると、中は大きなスタジオになっていて。
中にはパソコンや大きな照明器具、その他見たこともないようなたくさんの機器に、たくさんの人たち。
そしてその、真ん中には
カメラを構えるカメラマンさんと
「…すっごいイケメン!」
雑誌やテレビでしか見たことないような超イケメンが!!!
バシッ!
「痛っ!!」
思わず呟くと、新藤慧に頭を殴られた。
「何で殴るの!?」
「バカ女。俺以外の男にイケメンとか言ってんじゃねーよ」
はぁ!?どんだけ自意識過剰なの!?
「あんたね…!!」
「よぉケイ来たか!!」
その時、一人の長身の男の人が、人懐こそうな笑みを浮かべながらこっちにやってきた。
「萩野さん。今日もよろしくお願いします」
すると即座にあたしを睨み付けるのをやめて、礼儀正しくその人に挨拶する新藤慧。
コイツも挨拶とかできたんだ…!!!
と内心驚いていると
「…で、そっちの子は彼女?」
いつの間にかその人懐こそうな笑みがあたしに向いていた。
「あぁ、コイツはど「ただの友達の岡綾世です!よろしくお願いします!!」
アイツの言葉に被せるようにして強引に自己紹介する。
確実にコイツ今奴隷って言おうとしたな!!
「へぇ~そっか。じゃぁケイ、もうすぐ撮影始まるから準備してきて」
お友達も好きな所で見学してくれていいから、と親切にそう言って、萩野さんはスタッフさん達の所に戻って行った。
「…誰がいつお前と“お友達”になったって?」
萩野さんが去った後、低い声でそう言う新藤慧。
「…うるさいなぁ。てかさっさと準備してくれば?すぐ撮影始まるんでしょ?」
「…お前ほんとムカつく」
不機嫌そうに眉をしかめた新藤慧は「持ってろ!」と強引にあたしに荷物を押し付けると、奥の方に歩いて行った。