華の欠片


目を覚ますと見知らぬ天井があった。

頭が痛くて動けない。

すると、ふいに部屋の襖が開いた。





「あ、目覚めたんですね。体調は大丈夫

ですか?」




「.........問題ない」





「......本当にすいませんでした。僕は沖

田と申します。我々の伝達ミスと誤解の

せいで怪我をしている貴方を拷問に掛け

て苦しい思いを為せてしまい本当にすい

ませんでした。

.....それに貴方の右目。視力が回復する

事は....もう無いそうです。」






男は.....いや、沖田という男はこれ以上

悔やみきれないというほどの暗い表情を

してあやまってきた。





「ぃや。大丈夫だ.......片目くらいどって

ことない。.....

私の方にも落ち度はある。」





「......しかし僕達は取り返しのつかない

事をっ..!!」





「いい……

右目をやったのはあの倒れていた男だ。

だから私なんかに頭を下げないで欲しい


それに私は

存在価値の無いそこらのゴミと同等。

私などに構っていたら貴方らを汚してし

まう。


どうか、ほっておいて欲しい。」






そういうと、男は少しばかり目を見開い

てこちらを見据えた。




「何故です....?」





「他人に言うつもりはない。

私は出ていく。長居するつもりはない。

ここにいる連中に世話を掛けるわけには

いかんのでな…」





立ち上がろうと私は、上半身を捻った。

もちろん、傷が完治していない私の体は

悲鳴を挙げた。




呻く私を心配そうに男が見る。




「まだ、無理して起き上がろうとしない

で下さい。

あれからまだ一夜しか明けていません。

それに.....まだ、貴方を屯所

から出す訳にはいかないんです....」





.....まだ、出て行っては行けない?

私自身まだ起きられる状況では無いが、

出て行けないとはどう言う事だ....!!





「とりあえず、もう少し休んで下さい。

話しは貴方が起き上がれるようになって

からです。呉々も脱走などしないで下さ

いね。」





そういう男は、若くて綺麗な顔立ちをし

ている癖して、何処か大きな威圧感があ

った。
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