片想いのカタチ *短編集*
「いいえ。あ、これもあるけど食べる?」
そう言って、英里ちゃんはチョコレートケーキを出した。
さっきは、生チョコをもらった。
「え、いいの?」
「うん、いいよ。私は、いつでも食べれるからさ」
そして、苦笑した。
英里ちゃんの両親は、ケーキ屋『sherry』という店を営業している。
そこは、女子高校生から大人の女性まで幅広い世代に人気だ。
「英里ちゃんも高校卒業したらそこで働くの?」
「うん、働くよ。専門学校に通いながら」
少し頬を染めながら照れくさそうに笑った。