サヨナラのしずく
援交までしようとしていた自分があんなことくらいで、こんな風になるなんて思ってなかった。



襲われかかっただけで未遂で終わっているのに。



それでもあんなことは初めてで怖かったんだ。





「もう帰るか?」


「うん」




1度ソファー席に戻り、カズキさんたちに帰ると伝えてふたりでクラブを出た。



出た瞬間、俊平はタバコに火をつけすいだした。



「お前さ、男が苦手か?」


「え?」



「こうやって一緒に歩いていてもたまに男とすれ違うときとかビクついてるよな。今日だってタケとか来たとき固まってたし」




自分では大丈夫だと思っていたのに。



自分ではそこまでいっていないと思っていたのに。



俊平に気づかれていた…。





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