溺愛王子とヒミツな同居
まりやに言えば、自分のことのように悲しんでくれる奴だってわかってたから、あえて話すことでもないと思ってた。
聞いて気分のいい話でもないし、いい思い出って言えるものは少ない。
常識ある奴ばかりじゃなかったし、正直あの頃は本当に女が嫌いになりそうだった。
2つ目の中学に転校してから、毎日のように騒がれて、告白なんて1日に何度もあったのは確かだ。
断れば泣かれるし、何かするだけでキャーキャー騒いで、酷い時は彼女気取りする奴だっていた。
そんなことが重なるたびに嫌になりながら、学校生活を送っていた。
それでも俺が普通にしていられたのは、光とそれに……祥吾がいたから。
それと、ずっと想ってたまりやの存在の大きさだった。
まりやとまた会えるって約束があったから。
辛いことがあっても、まりやの屈託ない笑顔を思い出すたびに頑張れた。
どれだけ俺の支えになってたか、言葉じゃ表せないくらい。
最近では、あまり思い出しもしなかった記憶に、何でだろうと考えると、やっぱりまりやの顔しか浮かんでこなかった。
「謝らなくていい。俺でさえ、最近思い出してなかったんだから。
トラウマまではいかないけど、確かに中学の頃、いい思い出はないな。
それでも……俺が今、お前とこうしていられるのは、光たちのお陰だ。
でも、いちばんはお前に感謝してるんだよ。まりや」