溺愛王子とヒミツな同居
「ねぇねぇ、な~んか空気が重くない?」
「だよね~。もしかして、3人の間で何か起きた……?
もしかして、まりやちゃん争奪戦とか。
だったら、オレも仲間に入れ……」
何も言わずに睨みだけで光の口を黙らせる俺に、光の黒目が明後日の方へ逃げていく。
「あははは。うん、光君はまだ何も言ってないよね。
……今のは絶対に殺気だったって……。
寒い、寒すぎる!! ここは雪国か!?」
翌日の昼休みの屋上。
無言で昼飯を食べる俺とまりや。
普通に昼飯を食べてるだけの俺たちを、野次馬根性丸出しで盛り上がる光と米倉。
「人の顔見て、さっきからコソコソしゃべってんじゃねーよ。丸聞こえだっての」
光のわざとらしいボケにもツッコミを入れる気にもならず、さっさと昼飯を食べ終える。
そんな俺たちの様子をチラチラと見ながら、首を傾げる変態コンビ2人。
「朝から様子が変なんだよね。大翔もまりやちゃんも、それに祥吾も」
あんな短い間しか一緒にいなかったのに、光の鋭い指摘に米倉も一緒になって相槌を打つ。