溺愛王子とヒミツな同居



「ねぇねぇ、な~んか空気が重くない?」



「だよね~。もしかして、3人の間で何か起きた……?

もしかして、まりやちゃん争奪戦とか。

だったら、オレも仲間に入れ……」



何も言わずに睨みだけで光の口を黙らせる俺に、光の黒目が明後日の方へ逃げていく。



「あははは。うん、光君はまだ何も言ってないよね。

……今のは絶対に殺気だったって……。

寒い、寒すぎる!! ここは雪国か!?」



翌日の昼休みの屋上。



無言で昼飯を食べる俺とまりや。



普通に昼飯を食べてるだけの俺たちを、野次馬根性丸出しで盛り上がる光と米倉。



「人の顔見て、さっきからコソコソしゃべってんじゃねーよ。丸聞こえだっての」



光のわざとらしいボケにもツッコミを入れる気にもならず、さっさと昼飯を食べ終える。



そんな俺たちの様子をチラチラと見ながら、首を傾げる変態コンビ2人。



「朝から様子が変なんだよね。大翔もまりやちゃんも、それに祥吾も」



あんな短い間しか一緒にいなかったのに、光の鋭い指摘に米倉も一緒になって相槌を打つ。



< 347 / 437 >

この作品をシェア

pagetop