溺愛王子とヒミツな同居
5分後。
隣の個室に入った栞から声がかかる。
「あたしはもう着替え終わった。まりやも早く出てこないと、覗きにいっちゃうぞ~!」
自分を変態だと言うだけあって、こういうことを恥ずかし気もなく言う栞に、着替えを済ませて慌てて出てくる。
「もう、栞ったら。おじさんみたいなこと言わないで。
わぁ……! 栞の水着、凄く可愛い! よく似合ってるよ」
彼女という人をよく表す、マリンボーダー柄のワンピースタイプの水着。
小麦色の肌に青と白の生地がよく似合っていた。
「サンキュ~。ほっほう~! うんうん、これは……松っちゃんイロんな意味で大変そうだし!!」
ニヤニヤと顎に手をあてて、上から下まで私を見る栞に恥ずかしさでいっぱいになる。
「変、かな……?」
遠慮がちに聞く私に、右手の親指をグッと立てて栞にOKサインを貰えた。
よかった。大翔君とプールなんて小さい頃以来だから、どんな水着がいいのかわからなくて不安だったけど、大丈夫だよね。