溺愛王子とヒミツな同居



遠くからでも目立つ3人をずぐに見つけることができた。



「男軍団は、身軽でいいね~。

女はちょっと出かけるだけでも、持ち物があるってのに。

あたしも今度生まれ変わるなら、絶対に男がいいな」



サバサバしてる栞らしい言葉に、今日は口数が少ない谷山君が声を発する。



「今も大して男と変わらないじゃん」



「タニーくぅ~ん。何か言ったかな?

いいだろう、ここで小さい頃のまりやをイジメてたあんたに、ここであたしがたっぷり仕返ししてやる」



「だから、あれは若気の至りみたいなもんだって、前にも言ったでしょ」



そんな言葉を気にすることなく谷山君を指差して怪しい笑いを漏らす栞は、勝負心に火がついてしまったみたい。



中に入ると「勝負だ!」とか言いだして、谷山君を連れて、楽しい楽しい絶叫の旅へようこそプランに旅立っていった。



残された私たち3人は、それをベンチに座って見ていた。



「米ちゃんって、かなりタフだよね。

オレ、着いていくのがやっとだったし」



空を見上げる宮内君は、今日のことを思い出しているのだろう、少しげっそりしてるようにも見える。



「嫌なら嫌だって断ればよかっただろ。

お前って、やっぱバカだな」



私と宮内君の間、真ん中に座ってる大翔君は呆れた声を出す。



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