溺愛王子とヒミツな同居



「バカバカ言わないでよ。まぁ、実を言うと今日はまりやちゃんと大翔に楽しんでもらおうと、米ちゃんとオレで頑張ったんだよね。

何かさぁ、3人の間の空気が変だったじゃん。
だから、少しでも気晴らしになればと思って、今日連れてきたんだよ。

何があったのかは聞かないけど、オレと米ちゃんが気を遣って、祥吾を遠ざけてたのにもっとオレのこと褒めてくれてもよくない?」



急な予定だったから慌てたけど、まさかそんな理由があったなんて知らなくて、2人に気を遣わせてしまったことを初めて知る。



「そういうことか。急に遊びに行くなんて言うから、絶対に何かあるとは思ってたんだよ。

お前らの気持ちはありがたいけど、俺の機嫌がこれくらいでよくなると思ってんじゃねーよな」



「ですよねぇ……。見ててわかるよ。

明らかに祥吾のこと無視してるし、あいつもあいつで意地張ってんのか知らないけど、しゃべらないし。

やりにくいったらないよ、本当に」



盛大な溜め息をついて、お手上げ状態な宮内君になんて声をかけたらいいのかわからない。



やっぱり、大翔君まだ怒ってるんだよね……。



私も谷山君があんなことするなんて思ってなかったから、怖かった。



どうして急にあんなことしようとしたんだろ……。



大翔君があの時、帰ってこなかったらどうなっていたんだろうと考えると、怖くなって首を振ってそんな不安な気持ちを振り払う。



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