王子様の危険な恋愛領域
「何しろ、俺をひっぱたいた女は紗姫が初めてだったからな。なんか…興味持った。一緒にいる時間が増えて、お前の色んな表情とか見ていくうちに、だんだん紗姫に惹かれてる自分がいた。」
「………。」
「俺自身、驚いてる。これまで女に興味なんて持ったことねぇのに、こんなにも…一人の女に夢中になるなんて。」
私を真っ直ぐ見つめる光琉。
その優しい瞳に心臓が勢いよく跳ねる。
たまらず、視線を逸らして俯いてしまった。
私、すごくドキドキしてる…。
雨が降っていなかったら、光琉にハッキリと聞こえちゃいそうなぐらい、鼓動の波打ち方が半端ないよ…。
ソワソワしながら、片手を胸元にゆっくりとあてると、光琉の大きな手が私の頬に触れた。
「紗姫…。」
突然の感触に驚いて顔を上げた私。
目に映ったのは、今まで見たことないぐらい…真剣な表情をした光琉だった。