Samsara
「もう、あたし…駄目みたい…」
リーゼルは、睡眠薬により
先程より 睡魔に襲われ
足元が ふらついた。
睡眠薬は、眠りを 誘うだけ。
効果がきれた時、もう一度 逢える。
そう、死神は 考えたが…
そんな事は できなかった。
「…ッ痛い…ッ!」
「リーゼル!?」
リーゼルは
心臓のあたりを
自分の左手で 押さえた。
「…っ…だい…ッ」
呼吸もままならない状況なのに
リーゼルは
頑張って声を出す。
「運命は…
変える事なんて、できやしない…」
死神は、呟いた。
「リーゼルは…
心臓麻痺で 死ぬ予定だったのですから…」