危険BOY'Sにキスをして。
青組応援団の応援席に、一人になってしまった。
「すももっち、何か大丈夫か?」
「え?」
違う。
一人じゃなかった。
「えっと…」
「え、何?この間も名前言ったけど、また忘れ たとか?」
「いやいやいやいや違います!二葉くんっ!」
「良かったー 流石に覚えられてなかったらショックだったわ。
多分、この間で4回目だしな。」
「あはは、ごめん…」
あたしは、記憶力が悪い。
やっと、顔と名前が一致した。
クラスが違えば科も違う、同級生の男の子。
「何かあったら、いつでも相談乗るからな?」
優しい彼の名は、二葉涼(フタバリョウ)くん。 文化メディア委員会、委員長。
ちなみに、隣の科の成績トップの優等生だ。
以前、生徒会が終わった後、イツキの名前は出さずに恋愛相談した。
ずっとうつむいていたあたしに、 二葉くんから声をかけてくれたのが始まりだ。
「二葉くん…」
あたしは、目の前にいた二葉くんを呼んだ。
「なんで、ここにいるのさ。」
「は?」
ここは、青組の応援席だ。
二葉くんは、白組のはず。
何で青組の応援席にいるんだ、こいつ。
「すももっちに何かあったみたいで、 心配して此処に来たのに、それ?」
うん、心配してくれてるのは知ってるよ。 ありがとう。
…でも。
「白組応援しなよ。ほら、負けかけてるよ。」
運動場の真ん中の方へ指を差す。
「あたし達 青組が勝ちそうですが、 負けてる白組は応援しないんですかー?」
「お前…っ」
現在の演目は、女子による綱引きだ。
青組と白組が対決してるが…
圧倒的に 青組の勝利だな、これは。
「白組頑張れ!
勝ったら、今度の宿題写させてやる!」
大声で叫ぶ、二葉くん。
頭だけの優等生と思ってたら、意外に 熱血なんだね。
……ん?
「宿題写す、ってそれ…っ」
「見てみな、あそこ。」
綱引きに目線を映す。
「あり得ない…」
青組の負け、だ。