危険BOY'Sにキスをして。

「おい。」

応援席に向かっている最中、後ろから呼ばれた 。


「絵梨ちゃん、こっちに来て。」

「ヨウ…」

逢いたくなかった奴と、居合わせてしまった。


「あたしはアンタに用事ないんだけど。」

「そんなの知らないよ、僕がキミに用があるん だ。」

手首を掴まれ、引っ張られた。
抵抗出来る力だったが、あたしは何故か抵抗し なかった。


「どうしたの?」

連れてこられたのは、人影の無い中庭。


「は?何が?」

「その怪我だよ。」

同じクラスなら、気付けよ…
そう思ったが、口には出さなかった。


「長縄してる時、誰かの足あたったの。」

「あ、そうなんだ…
 暴力振られたかと思った…」

「え?どういう意」

「いや、何でもないよ。じゃあね。」

そういって、ヨウは中庭を後にした。


「意味分かんない…」

一体なんだったんだろう。
怪我のことだけで、中庭まで来たの?

たった、それだけの為に…?


困惑したまま、あたしも応援席に戻った。

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