シンデレラのSweetなお時間



そう、あの日

小さく触れた彼女の手は冷たくて

気付いたらそっと握っていた自分



けれど

少し触れれば、もっと触れたくなる

近付けば、もっと近付きたくなる





「ふーん。じゃあ、下心はないってこと?」



「…当然だ」



「……」





彼女をここへつれてきたのは、“モデル”として

下心もない

他意もない

けれど





「お前もう少し照れた顔してみろ」



「照れた顔…ですか?」



「あー…例えば、」



そうセットの中では、航がカメラ片手に伸ばした左手でそっと彼女の頬から首筋を撫でる。



「ひゃっ…」



「…そう、そのカオ」



ビク、とくすぐったそうに反応しては少し恥らう表情




< 191 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop