都会育ちのギャルが田舎に転校してきました
「お、お、下ろせーっ!私を今すぐ下ろせ!此処でいいから下ろせ!早く!早く下ろせ!止めてよ車!」
「駄目」
「どうして!?」
やっと自分が立たされている窮地の状況を理解したのか、愛莉紗は運転席の方に身を乗り出して母親と父親に言う。
珍しくも顔は“焦り”で埋め尽くされていた。
「だって愛莉紗、地元に帰るつもりでしょ?」
「当たり前!それ以外に何があるの!?絶対嫌だし!こんなドが3つ付くドドド田舎!実家に帰る!」
「これから愛莉紗の実家は此処になるんだ。だいたいどうやって向こうに戻って暮らすつもりなんだ?」
鬼の形相で異論する愛莉紗に、今まで黙っていた父親が優しく聞く。