ハッピー☆ウエディング


名前も知らない男の視線があたしを舐めるように見てる…


あたしはその視線から逃れたくてまたうつむく。




もう、時間も遅い為か電気も一部しか付いていない。



暗闇の中、月明かりだけが男の顔を照らす。




光と影が気味悪い。



男の手に力が入った。




もうダメっ





その瞬間――――




「…………」






あたしを掴んでいた男の腕が、急に力をなくして離れた。




……あ………





あたしは、男の腕を掴んでいるその人物に気付いた。




嘘でしょ……
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