LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「戻ってきたら、
彼氏に格上げしてくれますか?
それなら、10年だって待ちますよ。」
「私、あなたにも、あいつにも、
半端な気持ちだった。
もっと
ちゃんとあいつの言い訳聞いて、
あいつとちゃんと別れたい。」
困った顔をしないで、
あなたが選んだことに僕が逆らったことなんてないでしょう?
「このままじゃ、彗のそばにもいられないよ」
僕はそうつぶやきながら頬を染める柊を抱きしめた。
「何でなんだろ、
てんで子供扱いで、
僕のことなんかちょっとも好きじゃないんじゃないかと思うのに
離れられない
僕ってつくづく馬鹿です。
柊の背中を押すなんて
駄目な男ですよね。」
「ううん。
いい男だよ、彗は。
世界中のいい音かが100人束になってかかっても負けないよ。」
柊は僕の腕をするっと抜け出してから、頬に軽くキスをした。
「待ってて!」
僕をを残し、彼女は部屋を飛び出した。
追いかけたくて引き留めたくて、
切ない心は自らちぎれて行き場を失って足元に散らばった。
水分を失くしてかさかさとした音が今にも聞こえてきそうだった。
何やってんだ僕は