LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「押すよ」

「うん」

僕の左手を握る彼女の手が軽く震えていた。

インターフォンに指を掛けた所で、

後ろから声を掛けられた。


「どなたですか?」

振り向くと、

中学校の指定ジャージを着た少年が首をかしげていた。

「ひ……柊?」

ポカンとして見上げているその顔が、柊そっくりで、

驚いた。


「もしかして、お姉さん?」

「聖一?」

そうか、弟がいるって言ってたっけ。

さすが姉弟だ、柊にそっくり

「やだ、驚いた。

 大きく成ったわね、もう中学生なの?」


「ええ、そうです。

 僕が3歳前にあなたは、

 家を出たきりお会いしてませんから。

 と言うか、僕の記憶にあなたはいませんけどね。

 知っているのは写真と、思い出話の中だけです。

 で?

 何しに来たんですか?」


うわ、きつい性格だなって、

いやいや、血は争えないっていうか、

柊にそっくりじゃないか。


茫然とする柊には悪いが、僕は心で笑ってしまった。







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