LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「はじめまして!神宮慧と言います。


 急な訪問許可して下さりありがとうございます!


 柊さんと結婚を前提にお付き合いしています。


 柊さんとの結婚をお許しいただけるでしょうか!」


まるで何かの口上みたいに一気に言うと、

僕は正座をして額を畳に押し付けたまま動かなかった。


シンと、

静まってしまった部屋の中で、

緊張感が走る。


ちょっとやっちまった感は否めない。


けれど、

怯えている彼女を、

それから守ってやりたくて、

とっさに出てしまったのだ。



「君は……」


緊張感を破って口火を切ったのはお父さんの方だった。


あそしてめ息交じりに、僕に向かって吐いたのだ。


「君は空気が読めないのか?」


「はい。


 ああ、いいえ。」


「私は柊にいうことがあるが、

 はっきり言って君と話す気は無い。」


「お父さん。


 僕らは今日結婚のお許しを頂くために参りました。



 僕は彼女が今、あなたを恐がってるみたいなので、

 先に要件をお伝えしたのです。」



「君にお父さんなどと呼ばれる筋合いは無い」


「ぷっ」


その言葉を聞いて、

思わずふいたのは失敗だった。


あまりにも定石過ぎて僕の笑いの琴線に触れてしまった。


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