LOVERS♥HOLICK～年下ワンコと恋をして
一番驚いているのは柊で、

それを見て、不審そうに弟君が訊く。」


「って、何姉さん驚いてるの？」

｢そ、そうよ柊、なんであなたが！」


｢知らなかった。

　だって初めて聞いたから。」


「僕も、初めて言いました。

　父の名前なんて関係なく好きになってほしかったので。」


「驚いたわ、誰かに似てるって思ったのはそのせいなのね。

　やっぱり、顔良く似てるし、そういう目で見えてしまうものね。

　ああ、でも、往年のアイドル。みんなの憧れだったわ。

　今も活躍されてるでしょ。

　ＴＶで見ない日は無いわ。

　お忙しいのでしょうね。」


過去どんなに、活躍していたのかは、

話しにしか聞いていない。


今は、ＣＭや、コメンテーター、バラエティなどに出ているが、

昔は正統派のアイドルだったらしい。


柊の母親世代からは根強い人気がある。


「こんな大きなお子さんがいるのねえ。

　ファンだったのにちっとも知らなかったわ。」


「そうでしょうね。

　あの人は一度も結婚してませんから。

　僕らの存在は、あまり公にはなってませんし

　戸籍の上では一応子どもですが、兄たちは、母親が違います。


　父親らしい事なんてしてもらった覚えもないです。

　良く祖母が言っていました。

　「芸人は女遊びも、芸の肥やし」だとか？

　昔はそんな身勝手な事も許されていたんですかね。

　僕らに会いたくなくて忙しく仕事をしている。


　子どもの頃はそんな風に思っていました。」

　




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