LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
そんな虫のいい話があるか?


僕達の人生は親父にはただの汚点。


金で洗い流して、自分だけ家族というものを作って幸せになるって言うのか。


自分勝手にもほどがある。


兄貴達は、それぞれ独立しているし、今の親父に対して興味も関心もないみたいだ。


まあ、あの人たちは、子どもの頃から親父と暮らしていたし、

父親らしい事もしてもらったんだろうが、

僕は、母親に捨てられ、父親にもしょうがない引き取られた、

祖母と兄と他人の様な僕

名ばかりの親はめったに帰ってくることのない家で、

汚点と扱われることにも慣れた。

兄弟たちが優しくしてくれても

消しいて素直に受取れなかった。


汚点は汚点らしく一生張り付いてやるつもりだった。


それが汚点としての意地だから。


ずっとそう思ってた


だけど、

柊に出会って、

過去なんて柊の前では消し飛んでいた。


そうさ、

だから忘れてた。


親父の事も、自分の過去も。


けど、

今頃になって、

過去が邪魔してくるなんて。


まさかあいつが

柊にまで……

携帯を手にしながら、

あいつがどうやって柊に会うのか、

まさか傷つけたりしやしないか、

この前のホテルでの事も頭をよぎり、

目の前が真っ暗になった。







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