LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
.。*.。*。.。*。.。*。


がらっ

居酒屋の入り口を開けると、

小雨が降っていた。

ううっ寒っ、

雪に変わるんじゃないかしら。

空を恨めしそうに見上げた私に傘が下りてきた。


「お迎えにあがりました。」

久しぶりに見る彗の顔は、

ちょっぴり大人に見えてしまって、

思わず赤面してしまう。

「寒いね。」

「迎えに来てくれて助かったわ。

 雨降ってたのね。」

照れ隠しに、

わざと天気の話をすると、

腕をからめて来る。


「でしょでしょ!

 ご褒美頂戴ね。」

「あ~よしよし。」

頭をっぐりぐりっとなでると、

いつもと違う手触りにハッとする。

ぐりぐり?


「彗髪切ったの?」

「うん、まあ、

 気持ちを切り替えようかなって思って。」

大人に見えたのはこのせいでもあったのかも。

可愛イメージがシャープになって

思わず見とれてしまう。


「似合わない?」

「ううん、似合うよ、

 大人っぽくなった。

 びっくりしちゃった。」






< 214 / 272 >

この作品をシェア

pagetop