LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「聞いてたわよね……?」
「はあ、まあ。」
「忘れてえ?聞かなかったことにして!」
彼女があんまり必死に頼むものだから、
「じゃあ、一緒にここ出て一杯おごってくれません?」
思わず誘ってしまった。
彼女は目を丸くして、
でも、ちょっとクスッと笑ってから、
「しょうがないわね。 一杯だけよ。」
と返してきた。
その返し方が自然で、
笑顔が可愛らしくて。
瞬殺ってこのことだ。
この時、僕は初めて人に心を奪われる感覚を知った。