LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「はじめまして、あかりです。

 柊とは高校からの悪友で。」


「あかりさん?」

「なあに、彗、あかりに会ったことある?」

彗はニヤッと笑って、

「いや初めてです。はじめまして神宮彗です。

 可愛いお子さんですね。」

「ごめんなさい、実家に預かってもらえなくて子供連れで。」

「いいえ、子ども好きですから。お名前なんていうの?」


「美音(みおん)」

「みおんちゃん、僕はアキラだよよろしくね。」

彗が差し出した手はあかりの後ろに隠れていたみおんちゃんを笑顔にする。

毒気のないワンコの笑顔はだれもを笑顔にする。

まるで魔法。

待ち合わせた、ショッピングモールのホールの噴水で、

はしゃぐ美音ちゃんと追いかけっこする彗はまさに子犬だな。


「いい子じゃない。」

「うん、まあね。」

「まさかあんたが年下とねぇ。」

「いいでしょ、別に、

 それにあんたに言われたくないわよ。

 4年前、だっけ?大學生との合コンしようとしてたくせに。

 あんたが代理頼んだ要(かなめ)に騙されて参加させられたのは私で、どんなに恥ずかしかったか。」

「あはは、悪かったわよ、あの日あの子がお腹にいるのがわかって、

 私も大変だったのよ。」

「大清(ダイシン)は元気?」

「どうかな?」

「どうかなって、あの子のパパでしょ?

 結婚だってしたはずでしょ?」


「いまインドだし、

 いつ帰るか判んないし、

 責任とって結婚してくれたって、

 愛がない結婚なんて幸せじゃないもの。」







 








 
< 30 / 272 >

この作品をシェア

pagetop