LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「はい、そこまでね。」

いつ入ってきたのだろう?

そこには呆れた顔して腕を組んで陽向が立っていた。

「陽向様!」

「何やってるんですか。幸路さん」

「だって、陽向様私、嫌だったんです。

 ちょっと困らせたくて、ホテルに泊まりたくないっていったのに、

 『しょうがないね』って、

 そのうえ、部屋はキャンセルされてなくて、

 その部屋は男女がお泊りだって聞いて、

 だから、

 だから私っ」


わあっとその場に泣き崩れた。

彼女をそっとたしなめる陽向は私が愛されてた時にみせた 、

優しい姿で、

そうだったな。放って置かれても、あった時に見せるこんな姿に

愛されてるって感じてたんだ。


「馬鹿ね。婚約者こんなに不安にさせて。

 しっかりしなさいよね。」

バツの悪そうな顔で頭を掻きながら、

陽向は頭を下げてきた。


「柊、悪い俺余計なことして巻き込んじゃったみたいで」

「余計なこと?」

「部屋、キャンセルするのももったいないから、

 泉くんに提供したんだ。

 なんていうか、お詫びと餞的な意味で。」

「そうだったの……」

どうりで彗が何か隠してると思ったのよ。

そうよね、陽向がスイートとか用意できるはずなかったのに、

手の込んだ演出準備したり……

あのバカ犬。

彗の困った顔がめに浮かんでクスリと笑みがこぼれた。








< 99 / 272 >

この作品をシェア

pagetop