【BL】初恋いただきます。
部屋に戻ると優しくベッドに降ろされた。
要さんはベッドの脇に腰を下ろし、俺の手首を取った。
「痕になってるな。痛むか?」
「ううん、大丈夫。要さん……」
「ん?」
「ありがとう。」
俺がそう言うと要さんは少し眉間にシワを寄せた。
それから優しく抱き締めてくる。
「お前が遅いから探しに行ったんだ。」
「……うん。」
「もう少し早く探しに行くべきだった。悪かった。」
「ううん。来てくれてありがとう。………あの凪さんのことだけど」
言い掛けた俺に、要さんはいいんだ、と一言告げた。
「アイツのことは気にしなくていい。もう忘れろ。」
「でもね、要さん……俺には分かるんだ。凪さんは本当に要さんのこと愛してるんだって。」
「……………」
「だけど凪さんの愛情が家族としてのモノなのか、それとも俺と同じようなモノなのか、それは俺には分からない。俺には、家族っていないから。」
「……………」
何も言わない要さんを真っ直ぐ見つめる。
「要さんは分かっているんだよね?凪さんの愛情がどっちのモノなのか。」
「………………」
「さっき勘違いだって言ってた。……教えてほしいんだ、要さんと凪さんのこと。」
「………………」
「俺はね、要さんに関することなら何だって知っていたいんだ。」
要さんの頬を両手で包み込んで、視線を合わせる。
要さんはどこか慈しむように表情を和らげた。
「………強くなったな。そんな風に真っ直ぐ当たってくるとは。」
「俺は、逃げないって決めた。少しでも要さんに近付きたい。知りたい。俺はもう子供じゃない。だからどんなことでも話してほしい。」