魅惑の果実
桐生さんが運転してる。


初めて見る。


キュン死しそう。


写メ撮りたいけど、そんなことしたら絶対怒るよね?


でも撮りたい。


ウズウズする。



「どうした?」

「な、何が?」

「落ち着きがない」

「そんなことないよ……」



桐生さんにはきっと全てお見通しだよね。


後でタイミング見て隠し撮りしよう。


外だったらカメラの音も誤魔化せるだろう。



「何処に行くにも蓮見さんたちは一緒なの?」

「万一の為に部下は必ずついてくる」



万一って……。


そうだよね。


普通にドンパチやっちゃう様な人だし、普通の人とは違うんだよね。


命だって誰かに狙われてるかもしれない。



「慣れろ」

「え?」

「俺と一緒にいるという事はそういう事だ」



分かってはいたことだけど、改めて現実を突き付けられた様な気がした。


落ち着かないけど、桐生さんの安全の為だもんね。



「もう今は俺だけに限ったことじゃない。 俺と一緒に居れば居るほど、お前も危険にさらされる」

「……私にもしもの事があったら、桐生さんは泣いてくれる?」





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