魅惑の果実
スーパーにいるお客さんは、見るからにお金を持っていそうな人ばかり。


高級ブランドのバッグや洋服、アクセサリーを身につけている。


主に奥様っぽい人が多い。


それと、キャバ嬢みたいな人。


キャバ嬢っぽい人は彼氏がこのマンションに住んでいるか、もしくはパトロンにお金出してもらって住んでるかなんだろうな。


まぁ別に、誰がどういう理由でここにいるかなんて全く興味ないけどね。


買い物かごを手に、フラフラと店内を見て回った。


お昼は作るの面倒くさいし、お惣菜買って食べよう。


夜はどうするかな……。


桐生さんは外食が多いし、濃い味の物ばかり食べてるだろうから、和食とかがいいのかな?


んー……どうするべきか……。


でも無理して背伸びした料理作っても、どうせ失敗するだろうし……ここは無難にカレーにしよう。


そう決めておきながら、桐生さんがカレーを食べてるところを全く想像できなかった。


ま、まぁ、一応食べてくれるでしょ。


無理矢理そう言い聞かせながら、広いスーパーの中から晩御飯の材料を選んでいった。





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